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2016年8月22日

8066: まだ先の話だけど――白内障:記事紹介

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雑誌「昭和40年男」③

雑誌「昭和40年男」④

白内障:昭和40年男インタビュー記事 其の2

まだまだ先の話だけど…  白内障

水晶体が白くにごってしまう恐ろしい病気…
かと思っていたら白髪と同じ老化現象なのだとか。
だからと言って「なーんだ、じゃあいいや」では済まされないのが
眼のやっかいなところ。いったいどうすればいいのか?

年齢の経過とともに気になってくる眼の変化。老眼の次に自覚しやすいのが白内障であろう。「先ほど老眼の説明で出てきた水晶体、これが白くにごってしまうのが白内障です」

 水晶体はレンズであり、クリアな視界を得るためには、当然、透明であるべきものだ。なぜそのようなことが起こるのだろうか。

「ひと言で言えば老化現象です。40歳すぎれば誰でも多かれ少なかれ白髪が出てくるのと同じ。水晶体のタンパク質が変性するのが直接的な理由で、主に皮質や内部の核に発生します。光が通過しないところが濁っている場合は、自覚症状はほとんどありませんが、瞳孔を開く検査で水晶体を観察すると、早い人では40代から始まり、60歳代で70%、70歳代で90%と言われ、80歳以上になるとほとんど100%の人が白内障になります。だから、死ぬまでに白内障の手術を受けない人というのはあまり多くないんですよ。それだけ誰にでも起こる老化だということです」

 なんと、白内障は40代から!我々もすでに濁り始めているかもしれないのである。

「とはいえ、手術が必要なほど進行するのは60歳を過ぎてから。ですから40代の人な
ら今すぐ白内障について心配する必要はないでしょう。ただし、最近では30歳代後半から発症するなど、白内障の若年化も目立ってきています。

これはここ数十年で急速にパソコンが普及したことや、オゾン層の破壊による有害紫外線の増加などが原因だと言われています」

◎白内障になりやすい人はいるのか?

 白内障になるとどのような見え方になってしまうのだろうか。「最初はキリがかかったように霞んで見え、やがて明るいところでまぶしく感じたり、物が二重に見えたり、さらに進行すると視力が低下していきます。白内障の進行は大変ゆっくりですので、最初は気がつかないことも多く、左右の眼で別々に見たときに片方が曇っていて、片方は曇ってないということで初めて気が付くという場合も多いですね。たとえ白内障になっても、80歳でも生活に影響のない場合もあります」

 なるほど。白内障に早くなりやすい人というのはいるのだろうか。たとえば、白髪の多い人はなりやすいとか?

「個人差はありますが、他の老化現象との関連は聞いたことがないですね。ただ、糖尿病や眼球内に炎症がある人の他、若い時にボールがぶつかるなど眼に大きな衝撃が加わった人、アトピーのある人は早くから発症することがわかっています」

 格闘技やラグビーなど激しいスポーツをやっていた人は要注意といえそうだ。何か予防策はあるのだろうか。

「ないですね。白内障の進行を抑える点眼薬はありますけども、それほど高い効果があるわけではありませんし。ただし、そうだからといって、自分の視力が低下してきたことが白内障のせいだと自己判断して眼科に行かないというのは大変危険です。確かに最初は白内障だったとしても、放置している間に失明まで一刻を争う眼病を併発するというのはいくらでもあることなのです」

◎わずか20分程度で終わる白内障手術

 では、白内障の治療とはどのようなものなのだろう。

「水晶体に細い針を刺して、超音波を加えながらタンパク質を砕いて泥状にし、針先から吸いとって濁った水晶体を全て除去します。そして、そこに人工のレンズを丸めて眼内に入れ、眼の中で広げる。こうすると2・5㎜の傷口から直径6㎜のレンズが入ります。目の手術と言うと怖い印象がありますが、手術は痛みも少なく20分ほどで終わり、希望すれば日帰りも可能です。

 それにしても、気になるのは治療後の見え方だ。ピントをあわせる役割を持っている水晶体を取り除くとどうなってしまうのか。

「残念ながら、ピント調節機能は失われます。保険適用される眼内レンズは単焦点ですので、遠くにピントを合わせた場合遠くは見えますが近くにはピントが合いません。そのため、近くを見るためのメガネが必要になります」

 最近では遠近両用タイプもあるようだが?

「確かに、多焦点眼内レンズなどがずいぶん出てきています。これらは安全性の面では従来の手術と同じですので、特に問題はありません。しかし見え方が特殊であるため、慣れるのが大変だったり、保険適用外のため、全額自費治療になってしまう問題点があります。見え方については、遠近両用のコンタクトレンズをつかった経験のある方なら、割とすぐに順応できるようですが、ここ数年、この多焦点レンズを入れる方もずいぶん増えて来た印象です」
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図の説明

○白内障の写真。水晶体が白っぽくにごっている様子がわかる。進行すると、光が乱反射して眩しく感じたり、二重に見えたりし始める

○水晶体のにごり方には個人差があるが、周辺部(皮質)から始まることが多い。中心部が透明であれば、視力はそれほど低下しないが、にごりが中央部に及ぶとまぶしくなったり、目がかすんだりし始める。中心部から濁り始めると、一時的に近くが見えやすくなることがあり、その後目がかすむようになる

○水晶体を取り出した後に挿入される保険適用の単焦点レンズ。折りたたんで眼内に挿入できるよう、柔らかな素材でできており、足のように生えているものが水晶体嚢内で突っ張ることで固定される

■白内障の手術   白内障は、本人が望めば日帰りでもできるというが、リスクも考えるとできれば入院が望ましいという。手術時間は短く、痛みもほとんどない
眼球の切開:点眼による麻酔後、黒目と白目の境を切開して水晶体嚢(水晶体の皮質部)の前側を切開する

水晶体を吸入:超音波で振動する吸引管を挿入し、水晶を砕いてドロドロにしながら吸い出す(超音波水晶体摘出術)

レンズの挿入:眼内レンズをインジェクターと呼ばれる専用の器具で丸めて目の中に挿入する

レンズの固定:内部で広がった眼内レンズを水晶体嚢に固定すれば手術は終了。時間は約10~20分程度だ

研究・開発が進む眼内レンズだが…。

眼内レンズ最前線
まだまだ症例が少なく、効果の程や効果な手術費用に見合うものかどうかを判断することは難しいが、現在も最新の技術が開発され続けている。

屈折型眼内レンズ:
レンズ内に異なる複数の焦点距離を持っており、おおむねどの距離でもピントを合わせることができる。ただし、単焦点レンズのピントの合っている部分と比較すると、見え方の質は劣る。中間~遠方の見え方に優れており、VDT作業などに向く

回折型眼内レンズ:
レンズ表面に同心円状に階段状の段差をつけ、入ってくる光を回折現象により遠用と近用に分配し、2ヶ所に焦点を結ぶ。遠方・近方の見え方に優れている為、手元作業の多い方等に向く

アコモダティブIOL:
現在、唯一遠近調節が可能といわれている眼内レンズ。レンズの素材や術式は通常の白内障手術と変わらないが、レンズの足の部分の形がほんの少し違っている。これは毛様体筋の動きに連動してレンズが前後に動くことで、焦点距離の調節が可能になるというもの。まだ症例数が少なく、効果のほどはわからない

私のインタビュー記事の採録です。クリックして拡大してご覧ください、

(清澤注:この記事の全文を引用しているわけではありません。原文は雑誌980円をアマゾンででも取り寄せてご覧になっていただければ嬉しいです。

アマゾンにおけるこの雑誌の掲載ページはこちら。

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