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2016年8月2日

8012:失明も、眼手術後出血性閉塞性網膜血管炎HORVで学会調査開始【米国白内障・屈折手術会議】

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失明も、眼手術後HORVで学会調査開始【米国白内障・屈折手術会議】

バンコマイシン使用に関連か

米国学会短信2016年8月1日 (月)配信 眼科疾患感染症投薬に関わる問題

米国白内障・屈折手術会議(ASCRS)と米国網膜専門医学会(ASRS)は、7月、眼科手術後の出血性閉塞性網膜血管炎(hemorrhagic occlusive retinal vasculitis: HORV)に関する複数の症例報告が初めて発表されたことを受け、合同調査委員会を設立したと発表した。原因は今のところ不明だが、両学会は術後眼内炎予防のためのバンコマイシン使用との強い関連があるとの見方を示している。

両学会によると、2014年と15年に6例、その後新たに16例、計36眼のHORVに関する報告が相次いだ。現時点で発症頻度は極めて低いようだが、主には白内障手術だがあらゆる眼科手術で起こりうる合併症との見方を示している。HORVの原因は明らかになっていないものの、現時点ではバンコマイシンの眼内への使用(硝子体注射、前房内注入、同薬含有の灌流液使用)との強い関連が考えられると述べている。

これまでの報告では22例36眼全例で同薬使用が確認されている。多くは予後不良で、36眼中22眼(61%)が視力低下(0.1未満)を来し、8眼(22%)が失明(NLP)に至っている。両学会は特筆すべき点として、7眼(19%)は細菌性眼内炎の治療のために同薬の硝子体注射の追加療法を受けており、7眼中5眼が直近の診察で失明と診断され、極めて重症であることを挙げている。

ASRS公式サイト内では、HORVの症例登録システムを開設。有病率や危険因子、治療内容や予後に関する詳しい調査を行っていく意向を示している。

関連リンク
Clinical Alert: HORV Association with Intraocular Vancomycin

眼科医清澤野コメント:そもそもバンコマイシンは耐性菌に対して最終的に選択される抗生物質。そう多くの症例に用いられるとは思われませんが、白内障術後眼内炎という疾患も白内障術者にとっては最大の悪夢ですから、第一選択肢として伝家の宝刀を抜く場合もあるのでしょう。その様な症例に限ってもこれだけの数が起きているとなれば、学会として調査をし対策を考えるというのは妥当な対応でしょう。この病態は、最近はヘルペス感染症とされることが多い急性網膜壊死(その昔、東北大学で発見されたいわゆる桐沢型ブドウ膜炎)にも似ているとも思います。(図はこちらから借用 http://www.retina-specialist.com/article/horv-a-rare-but-devastating-complication-of-endophthalmitis-prophylaxis)

Categorised in: 白内障