お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2021年6月16日

12949:お医者様への質問:眼瞼・顔面けいれん友の会会報第30号より採録:

友の会顧問医師清澤のコメント:「お医者様」という呼称には違和感も感じますが、友の会顧問医師としてこの30の質問に対する回答を求められましたので、3月にお答えする原稿をお送りしました。会報には若倉先生のお答えも合冊して公表されています。(自分の作った答えでも、会員への会報の送付が終わるまではネットには出さないでくださいと前々代の会長さんに言われておりました。)この会に入会してその他の記事も掲載されている友の会会報を受け取りたい場合には、nyuukai@gankenganmenn.jp宛にメールをお送りください。当医院の患者さんであれば、医院の窓口にもこの冊子を置いてあります(会へのカンパ要)。この問答には清澤がKで示されたコメントを先に作り、それも含めて見た若倉先生がWのコメントを足してくださいました。(本日、このテキストを私の要求にこたえて、早速私にお送りくださった会の役員の方に感謝いたします。)

お答え 若倉雅登先生 W  清澤源弘先生 K

1 令和2年1月より片側顔面けいれんになりましたが、脳梗塞のあとがたくさんあるので何があってもおかしくないと言われ、何もしてくれませんでした。今はたまに1分位頬が揺れるだけです。

片側顔面けいれんであれば、小脳動脈が顔面神経に触れているかどうかが問題ですから、多発性の脳梗塞があってもそれは原因にはならないでしょう。この画像診断で神経と血管の接触に注目されていたかどうかは不明です。

間もなく痙攣が消えたというこの症状からは眼瞼ミオキミアがそれなりに考えられます。自覚的な症状が続くなら治療は致します。

片側顔面けいれんとは全く異なる病気である眼瞼けいれんの場合でも、左右で異なる強さの不随意運動が出るということもありますが、現在羞明や痛みなど強い自覚症状がないとすればそれは考えにくいでしょう。

この程度の軽い例ならば、抑肝散加陳皮半夏(内服の漢方薬顆粒製剤)などで経過観察という手もあります。

Q2 室内にいる時には何の問題もなく瞼は開きます。

症状が軽いのでしょう。明るい戸外では眩しくなるのだと思われます。サングラスの特殊な物である遮光眼鏡などもよいかもしれません。

Q3 女性ホルモンの変化に合わせ眼瞼けいれんの症状にもかなり影響がでます。生理前や排卵前には目も開きにくく、光にも過敏となり頭痛や体の痛みが増しますが、生理中は比較的症状が落ち着くことが多いです。

女性ホルモンと眼瞼けいれんの関係を聞いたことはありません。でもこれだけはっきりした症状の変化があるならば、無関係ではないのでしょう。個別の患者さんで、妊娠中に眼瞼けいれんが弱まったという話を聞くことはありました。

Q4 1年程前、急に瞼の異常を感じ、車の運転が不安(30分以上は無理)な状態が6カ月位続き、その後は自然と治る。

何はともあれ軽快したということは良かったです。ドライアイも合併していて、季節の変化でドライアイが軽くなって眼瞼けいれんも落ち着いたのかもしれません。追突しそうで不安な気持ちなら運転を続けることはお勧めいたしません。

このように間歇的に、何かのきっかけで突如症状が強く出るケースはあるようです。それで、車や自転車による事故を起こした例も聞きます。眼瞼けいれんであれば、回復したようにみえても、何かのきっかけで再度症状が出現してくる可能性はあると思われます。

Q5 眼瞼けいれんの三症状(眩しい、痛い、不快)があり、感覚過敏が強くて辛い。神経回路が閉じたり、つながったりしている感じなのでしょうか?脳がトラブルを起こしているのですか?

私たちは眼瞼けいれんの症状を、目を閉じるという運動症状、痛みや羞明の感覚症状、そして気分抑鬱の精神症状の三つとします。

この患者さんでは感覚症状が前面に出ているようです。私の診療所では痛みを抑えるリリカなどをこのような場合にはボトックスと重ねて神経内科医に処方してコントロールをつけてもらっています。

眼瞼けいれんの初期は、日によっても、また一日のうちでも状態が良い時と悪い時が交互に来て、波があります。脳内回路で、正常な神経伝達になっている時と、伝達がうまくゆかなくなる時があるものと推定しています。

Q6 完治した方の以前の症状を知りたい。現在ボトックス注射を2カ月に1回(多い時は400単位、頸部まで)、抑肝散加陳皮半夏、セルシン、アーテンを服用。症状は眩しい、瞼が開かない。不眠にはマイスリーを、食欲不振、精神不安定にはセルシンを服用しています。

完治した方と治らない方の症状で今までに見分けられる差異はありませんでした。

しかしこの400単位というのはとても多いと感じます。マイスリーやセルシンの使用はしなくはないですが、少ない方が良いでしょう。

完治例は極めて少ないと思います。生じてきた羞明や開瞼困難は薬物が原因ではないかと考え、内服をはじめてから早期に(通常1カ月以内)に当該薬を減薬、断薬した例で、ほぼ完治した例を数例知っています。

眼瞼けいれんは基本的には慢性化する病気で、その中で、病気とうまく共存することで健常状態にできるだけ近づいた生活ができるようになることを目標にできるとは思いますが、完治することを目指すのはむしろ焦燥感がでるなど、逆効果だと思います。

Q7 メイジュ症候群で口の違和感があり、歯ごたえもなく、口に何かが張り付いている感じで、ガムを噛んでいないと言葉も伝わり難いです。この先も続くと思うと長く生きるのは辛くなります。手術という選択があり、少しのリスクであればやりたいです。

大脳基底核の持続刺激(脳深部刺激)という方法もあるとは聞いていますが、安全で無害というわけではないでしょう。自分の患者さんでこれを受けて良くなったという例は聞いていません。手術の相談に行かれた時点で、私の診療所での観察が途切れてしまったのかもしれませんけれど。

8 処方薬エフピー【OD錠】2.5㎎を朝・昼、2回、3月下旬から2ヶ月ほど服用しましたが、あまり効果を感じられず止めてしまいました。この薬を処方され効果のあった事例はありますか?

FPという薬剤を痙攣に使ってみたことはありません。この薬はMAO-B阻害薬(パーキンソン病治療薬で非選択的モノアミン酸化酵素阻害剤)に含まれるものですね。直接にこの薬は眼瞼けいれんの特効薬ではありません。慣れた先生が処方するならば、多くの治療への使用に可能性があるものの一つとは言えそうです。ドパミンの分解阻害作用により、脳内のドパミン量を増やしてパーキンソン病における手足の震えや筋肉のこわばりなどを改善する薬です。

Q9 50代後半に眼瞼けいれんを発症しました。30年以上前にデパスを3年ほど服用していましたが、このデパス服用は眼瞼けいれん発症の原因の可能性はありますか。

眼瞼けいれんの発症まで30年もたっているならば、おそらくデパスの関連はないと考えてもよいでしょう。ただしデパスは眼瞼けいれんを最も誘発しやすいベンゾジアゼピン系薬剤の代表的なものです。

30年前の3年間のデパスだけを捉えて、原因とすることはできないと私も思います。デパスを使用した理由や、その後に用いた神経系に作用する薬物はなかったか、これがむしろ重要な点だろうと思います。

Q10 デパスを飲んで眼瞼けいれんになったと先生に言われて以来、飲んでいません。不眠があるので、不眠の時に飲んでよい薬はありますか?

非ベンゾジアゼピン系の眠剤がいくつかあります。ロゼレム、マイスリー、ベルソムラなどです。順次試してみてはいかがでしょうか?

私どもの研究調査では、マイスリーもデパスなどと類似する薬理作用があり、眼瞼けいれん発症を誘発したと考えられるケースが少なくないためおすすめはしません。ベルソムラと類似の薬理効果のある「デエビゴ」という薬も代替薬としての候補です。

私は日ごろから、日本人全体が睡眠薬依存というよりも、睡眠依存になっているのではないかと言っています。メディアなどで「睡眠をとらないと大変」といった意識づけがされてしまっているからではないでしょうか。

睡眠障害の国際的定義は、夜の睡眠がとれないことではなく、昼間に過度に眠気が生じることや、倦怠感が強くなることが前提になっているのです。

Q11 リボトリールは効果なく、アーテンは効果があるが倦怠感、食欲不振、吐気などの副作用で辛く1年以上内服していない。W先生がここ一番の時に使いなさいということで持っています

私の印象ではベンゾジアゼピン系のリボトリールの方が直接的な効果はありそうですが、アセチルコリン阻害剤のアーテンも有効だとして使う方がいます。

アーテンは、脳内の伝達物質(アセチルコリン)の働きを抑える抗コリン作用により、手指のふるえ、筋肉のこわばりや動作が遅くなったりするのを改善します。

通常、向精神薬投与によるパーキンソニズム・ジスキネジア(遅発性を除く)・アカシジア、特発性パーキンソニズムおよびその他のパーキンソニズム(脳炎後、動脈硬化性)の治療に用いられます。

副作用として、興奮、眠気、けん怠感、吐き気、口渇、便秘、排尿困難、発疹などが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。

なおリボトリールは、ベンゾジアゼピン系抗てんかん薬で、脳内のベンゾジアゼピン受容体に作用し神経の興奮を抑制することで、てんかんなどによるけいれん発作などの症状を抑える薬です。

ベンゾジアゼピン系抗てんかん薬にはリボトリール(ランドセン)、マイスタン、ベンザリン、ネルボン、ダイアップ、ミダフレッサ、ロラピタントの商品があります。これにも、眠気、ふらつき、喘鳴、興奮、眩暈、運動失調、神経過敏、不機嫌、無気力、情動不安定の副作用があります。

リボトリール、ランドセン(クロナゼパム)はベンゾジアゼピン系薬なので、眼瞼けいれんにとっては両刃の剣、一時しのぎやベンゾジアゼピン系薬離脱の失敗例などで緊急避難的に用いることに反対はしません。

アーテンは、副作用もありますが、臨床経験的には5人に1人くらいの割合で、内服2時間後くらいから10時間後くらいまで若干開瞼しやすい感じが得られるといいます。効果のある人でも連用で効果が減弱するので、屯用的な使用をおすすめしています。

Q12①まぶた専用ジェル「リッドキララ」は眼瞼けいれんの助けになりますか?

②飲むかゆみ止め薬のレポセチリジン塩酸塩錠「ニプロ」は痒い時に使っても眼瞼けいれんが悪化しませんか?眠くなる副作用のあるものは眼瞼けいれんが悪化するときいています。

ネットでその説明を読む限り、スキンケア用の基礎化粧品 で アイケア・アイクリームであり、上まぶたをスッキリと引き締め、本来の肌を取り戻す上まぶた専用美容ジェルであるということですから、眼瞼けいれんを助ける効果はないと思われます。

塗った部分に「三次元密着フィルム」を形成し、上まぶたを素早く引き締め、持ち上げますとのことです。

レポセチリジン塩酸塩錠は抗ヒスタミン薬(内服薬・注射剤・貼付剤)であり、抗ヒスタミン作用(体内物質ヒスタミンの働きを抑える作用)によりアレルギー反応を抑えることで蕁麻疹(じんましん)、花粉症、喘息などによる、皮膚の腫れや痒み、鼻炎(くしゃみや鼻みずなど)、咳などの症状を改善する薬とされています。

アレジオンやアレグラなどの抗アレルギー薬同様に基本的には神経伝達を大きく変えることはないので、眼瞼けいれんに使うことを避ける理由はないでしょう。

Q13①以前メイジュ症候群で100単位のボトックス注射をして効果が出ていました。現在眼瞼けいれん適用の50単位のボトックス注射までで、レセプトで審査に通らなくなっています。審査が厳しくなった理由を知りたいです。

ボツリヌス治療ができる医師が地方

だと少ないです。顔と首のボトックス注射となると北海道札幌では医師が見つかりません。近くに治療機関がありますか?

私が知る限りボトックス使用量の制限が強まったという話はありません。症状詳記をつけて100単位使用の必然性が主張できれば使えると思います。注射する症例の内でも、あまり多くの例にその注記を付けたら審査で削られることでしょう。

首までを打てる私の知っている北海道での施設はありません。GSK(グラクソスミスクライン社)の相談電話にご相談ください。首については眼瞼けいれん及び片側顔面けいれんの施術免許とは許可が違うので、その医師には許されてないのかもしれません。

Q14 井上眼科(W先生)でのボトックス注射に通っています。信頼出来る先生なので当面は頼っていくことにしますが、経済面と夫の付き添いが必要なことが辛いです。(地元新潟)でボトックスが打てるようになることを希望しています。

新しい診療領域に手を広げようと考えて新たに登録医になってくださる医師も居るのですが、実際に講習を受けて免許を取得してみますとごくまれにしか該当する患者さんがおいでにならないことがわかると撤退してしまうことも多いようです。

出荷されたボトックスは、冷凍保存のため返品を受けてもらえません。

地方の患者さんでご希望があれば、その都度地元で許可免許を持っている診療所をグラクソスミスクライン社のボトックス相談電話で探して紹介をしていますが、結局戻ってきてしまう患者さんも多いです。

注射決定の初診に1日、次に施注(2週間後)にもう1日と、2度の受診をしないと治療できないからです。

【ボトックス製品情報をネットで調べ、施術医療機関をお探しください。http://btx-a.jp/kao/でネットに入って、地図から当該地域の診療施設を探すことが出来ます。グラクソスミスクライン・カスタマー・ケアセンターは0120―567|602ですが、担当者は詳細な情報を持ってはいないようでした。】

Q15現在、かかりつけ医に月1回受診し、ボトックスを4ヶ月に1回位打っています。友の会や会報等で得た知識とかかりつけ医の対応が違っている時、どう話してよいかわからなくなってしまう事があります。医師との信頼関係がなくなり、他を受診してもまた初めから進んでいくのかと思うと考えてしまいます。

かかりつけの医師を信頼していただくしかないのですが、すべての施注医師が毎月何人ものボトックスを打っているわけではありませんので、当然慣れには差がある事でしょう。殊に薬剤性の眼瞼けいれんについては知らない医師は多いです。

Q16 ボトックスを3カ月に1回打って頂いていますが、段々効かなくなってきているように感じます。今は一人で病院に行けますが、段々年を取って行けなくなったらどうなるのだろうと心配しています。

だんだんに効かなくなるということは片側顔面けいれんでは少ないと思います。片側顔面けいれんでは3カ月よりも長いインターバルも考えられるかもしれません。

私は「2カ月を過ぎて、患者さんの希望が出てくれば期間によらずに施注しますというスタンス」です。ご高齢になって通院が困難ということで地元へ紹介する患者さんはコロナ禍の中で増えています。転医する場合には希望に応じて紹介状を作成します。

Q17 自分はまだ軽症のようですが、段々ボトックス注射が効かなくなってしまうのかと不安です。最終的には日常生活が困難になってしまうのでしょうか?

そう悲観的にとらえる必要はないでしょう。症状に応じてドライアイを点眼やプラグで治療したり、ボトックス注射と内服の併用、そしてどうしても強ければ眼輪筋切除手術を他科に依頼したりと、行える対応は色々あります。

Q18 眼瞼けいれんを発症して7年ぐらいになります。ボトックスも今年に入り一番強いのを打つこととなりました。3カ月ごとに14カ所打っています。良くなるはずと思いながらも徐々に進行していく病状に気持ちも折れる日が多いのですが、周りの人達にささえられ、どうにか元気に日々を過ごしています。

自然に軽快することも20%ほどありますが、60%ほどの変わらずの患者さんと、悪化するという人も20%ほどに見られます。悲観して周りの人や自分にあたることはご自身を不幸にしてしまいますので、ご家族など周りの方のサポートに感謝しつつ治療をお続けください。

発症して7、8年の間は進行する例が確かにありますが、それ以降に、たとえば薬物性なら原因となっている薬物を過度に続けたり、重ねたりしない限り、それ以上進行する例はほとんど見たことがありません。

Q19 ボトックスが効かなくなって数年経ち、複数の先生から「打つ手なし」と言われました。本当にこれが治療の限界なのでしょうか。

 K 先に述べたとおり、病気の状況によって様々なステップでの異なった対応があります。難しい症例であればあるだけに、治療になれた医師への通院をお続けになる事をお勧めします。「打つ手無し」というのは、その医師の本音ではないと思います。

Q20 体調が少しずつ回復し、島の病院でボトックス注射を受けることができました。井上眼科のS医師から島のS医師につないでいただいて感謝いたします。今思っていることは、この症状とどう向き合いどう治療していくか、他にできることがあるのかということです。

伊豆諸島の島でも治療ができるところが見つかってよかったです。お元気でお過ごしください。

Q21少しずつ症状が悪くなっているので、この先どうなるのか不安な気持ちに陥ることがあります。症状の強い時の「心の持ち方」について知りたいです。          

この質問への的確な答えはありませんが、「目と心の健康相談室」の荒川看護師などは相談に乗ってくれることと思います。

私は症状の強い時にそれと真正面から闘わないことを勧めています。真正面に持ってきてさんざんに負けてしまうより、細い横道であってもゆっくりでも進むうちに開けてくる可能性のほうが高いと思います。

Q22 町の眼科医が眼瞼けいれんを知らないのは何故ですか?

患者さんの数が少なくて、準備ができていないのでしょう。慣れた医師をまず探して、ボトックス、点眼、飲み薬を決め、それから近所の医師に、すべき治療の紹介状を出してもらう。そのうえで、ボトックスは慣れた医師で3カ月ごとに打ち続けるなどとし、間は近医でという作戦もあるでしょう。

20年前よりは、この病気を知る眼科医は随分増えてきたと思います。ただ、病気の名称は知っていても、診断したり、治療したりまでの経験のない眼科医は多くいます。神経眼科医(日本神経眼科学会のホームページに全国の相談医が掲載されていますので、地元の医師をみつけられるでしょう)などを探してみるといいかもしれません。

23 この病気についてあまり解明されていないようです。情報が少なく、何の病気なのか、どこへ行けば良いのか分からず、苦しんでいる人が多くいると思います。もっとメディアに取り上げられれば、世間に認知されるのではないでしょうか。

若倉先生、荒川さん(目と心の健康相談室理事長)なども情報発信に多大な努力をしてくれておりますし、私もブログ記事等で極力発信していますが、広報活動はまだイマイチなのでしょう。今後も脳卒中、心筋梗塞、肺がんなどのような普遍的でかつメジャーな疾患として扱われることは難しいかもしれません。

Q24 少しずつ世の中の人たちがこの病気を知りつつあるので、もっと保険対応など何かサポートを得ることができたらと思います。

全くそうですね。

25 障害者手帳を是非取得したい。特に災害時等で避難場所へ行く場合は優遇して欲しいと思います (常に下を向いて歩いているし、近場及び遠くも見えにくいからです)。

身体障害の適応は全くないのですが、障害年金(ただし厚生年金の場合)の認定を受ける努力をして実際に取得している患者さんもおいでです。普通に医師が書いても全く通りませんので、それに慣れていてかつ情熱の有る社会保険労務士さんを紹介したりなどの協力はできる場合があります。その方に頼めば通るというほどやさしいものではありません。

視覚障害者の手帳取得は、現行法ではあくまで視力と視野の数値で判定されます。視力視野で判定できない眼瞼けいれんのような病気もあることは、厚労省もようやく気付き、調査などしはじめています。法律改正への道はまだまだ遠いかもしれませんが、少しは前進しています。

Q26 中止になった若倉先生のベンゾジアゼピンのお話しをオンラインかCDで聞く機会が欲しいです。

またお話を伺うことにしましょう。

Q27 テープも使いたいが美容目的ではないのでもっと安価になりませんか?

かづきテープ(ごく薄く作った片面粘着テープ)の価格が高いとお考えでしたら、優肌絆(肌色の絆創膏)などもお試しください。テープを使い続けるのには相当な忍耐力が必要です。

Q28 献体について伺います。高齢者(78歳)ですが、神経、顔面、目他、この病気について何か役に立てる方法はあるのでしょうか?

⑴献体は、医学部学生が解剖実習を行うために各大学医学部解剖学教室に申し出て行われています。約一年後に葬祭後ご遺骨の形で家族に戻されます。

⑵病理解剖は患者さんの死因を確かめるために、病院の病理医によって行われ、遺体は数日で戻されます。

眼瞼けいれんの原因を究明する目的での解剖を特に受けてくださるという話は聞いておりません。行うとすれば、まず病院での病理解剖で脳を含めて調べてもらい、特にジストニアに関心のある病理医がその標本を後日精密に検討するという事であろうかと思います。その道について私には、だれに頼めるのかといった知識がありません。

⑶アイバンクに登録して角膜を提供していただき、円錐角膜などの角膜疾患で視力の低い方への角膜移植に生かすという道もあります。

Q29①瞼がけいれんしていない人にボトックスを打っても効果がないのに、何故ボトックスを打つのでしょうか。理由を知りたいです。

②ベンゾ系薬の止め方を言わずに薬を止めるように言われたため、取り返しのつかない離脱症状が起きました。

③薬剤性眼瞼けいれんと診断したにもかかわらず、医師にPⅯⅮA(注釈)の副作用被害救済制度の診断書作成を依頼したが、薬の副作用と思っていないと言われ、4カ月をかけて書いた診断書も副作用被害救済に認められるはずがない診断書でした。診断書の内容について患者との対話も拒まれました。 

(注釈)独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

①K とても難しい質問です。

「眼瞼けいれんは眼を開いているのがつらいとか目が痛いといった症状が有って、速瞬、軽瞬、強瞬に乱れが有るもの」なので、ふくらはぎのこむら返りのような痙攣が眼輪筋にある訳ではありません。その開瞼障害が改善するかも知れないとして眼輪筋にマヒを起こさせるボトックスを勧めたのかもしれません。本人が効果なしとおっしゃるなら続けることはできません。

私は以下のように考えています。

眼瞼けいれんでは、開瞼し続ける、見る、とくに光を発する対象物を見続けると症状が悪化します。つまり、その動作が脳に負担をかけていると解釈できるでしょう。

そこで、ボトックスやクラッチ眼鏡で開瞼を助けてあげると、目を開ける、見るという作業における脳への負担が減弱され、羞明や眼痛などの

諸症状が軽減しうるのだと。

薬剤性眼瞼けいれんが副作用被害救済制度の対象に認められた例を一例も知りません。この救済は、実際には相当強い因果関係が広く認められている事故や疾患に対してしか認められてはいません。

ベンゾ系の薬を自己判断で止めると、強い離脱症状が起きて、具合が悪くなって明け方に救急車を呼ぶという例が何件もあります。その離脱は相当ゆっくりしなくてはなりませんし、もし、断薬できても眼瞼けいれんが消えるという保証もありません。

離脱の仕方には医学的コンセンサスがない状況です。大きな個人差もあるし、薬物や服用期間にもよるので、なかなかコンセンサスが得にくいのです。離脱症候群自体を認めない医師もいて、実際には質問者のような離脱の失敗は時々みられ、残された医学的大問題だと私は認識しています。

診断書の内容については、主訴他を極力取り入れようとはいたしますが客観性のある数値や情報以上はお書きできません。薬剤性眼瞼けいれんと診断したとしても、製薬メーカーや安定剤の処方医師の責任を問うという事ではなく、ベンゾ薬を減らして症状が軽減した例もあるから、極力処方量を減らしましょうという考えを含む病名であるという事でしょう。微量のリボトリール(ベンゾジアゼピン薬)を、それと知っていても対症療法的にやむを得ず私が処方し続けている場合も少なくはありません。

これも上記に述べたように問題点です。訴訟に発展している例もあります。

  ーーーー友の会の記事採録終了ーーーーー

Categorised in: 眼瞼痙攣