清澤のコメント:自分でも多くの眼瞼痙攣患者にボトックス注射ほかの治療をしていますが、後関先生の講演は大変参考になりました。患者さんとの信頼関係を築くことが継続治療を受けていただくのに大事という発言には賛成です。
------
Blepharospasm Webner後関利明先生講演聴講印象録 国際医療福祉大病院准教授
11月26日18:30~19:30
眼瞼痙攣におけるボツリヌス治療の実際
眼瞼痙攣診断ガイドライン2011年があり改定中
軽症例もある。診療科ごとの認識も微妙に違う 診断・治療・自験例を話す
診断:
似て非なるもの:眼瞼ミオキミアと片側顔面痙攣(目が小さくなると訴える)が挙げられる
典型的眼瞼痙攣:瞬目の制御異常である。うっとうしいなどと訴える
眩しい95、眼が開いてられない92、乾く51、眼が閉じる49、、、痙攣は8%でしかない。
ドライアイとの鑑別:オーバーラップも多いが。
自己診断テスト(若倉)も有用である。3項目以上で眼瞼痙攣としてよい。
瞬目テスト:A軽瞬、B速瞬、C強瞬を見る
問診と視診が大切:
治療:
分類:本態性眼瞼痙攣、薬剤性眼瞼痙攣(ベンゾ系薬剤:デパス他)、症候性眼瞼痙攣(パーキンソン病など)がある
眠剤の代替薬は:ロゼレム、ベルソムラ、抑肝散
一か月後に投与部位などを見直す。
患者さんへの説明:①第一選択で保険適応、②対照的、③1.6万の自己負担。④無効例10%。
準備品は少なくする。クロルヘキシジン使用30.32ゲージが良かろう。
趨鼻筋他も
演者は1ミリリットルで溶解する。調剤中に冷却などをできる。激しく攪拌しない。
ベベル方向と注射器のメモリを合わす。
投与方法:眼瞼前部、浅い皮下に、サージカルマスク使用。
副作用:眼瞼下垂2.1%、兎眼、流涙、複視、皮下出血(圧迫で対応)
失活の方法:次亜塩素酸
痛みの減じ方:冷却、エムラクリーム(リドカイン・プロピトカイン)、32ゲージ針
内服ならば:リボトリールトアーテン、抑肝散加陳皮半夏
クラッチ眼鏡(感覚トリック)、遮光眼鏡(FL41でも、バラ色他)。
手術療法:眼輪筋切除とミューラー筋縫縮(三村)
投与量はカスタムメードで。
自験例:副作用を考えて少量から
注意すべき疾患:筋無力症にも注意
患者様からの手紙:2005年から7年かかって眼瞼痙攣の診断がついた。診断がつくだけでも患者は楽なことが有る。できるだけ多くの患者さんを救いたい。
Categorised in: 眼瞼痙攣