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2020年11月21日

12446:メージュ(Meige)症候群とは:日本医事新報自著記事採録

清澤のコメント:日本医事新報に「メイジュ症候群」(治療法の再整理とアップデートの為に・専門家による私の治療の一部)が、掲載されました。先日の眼瞼痙攣に続いての掲載です。日本医事新報社のHPに公開されている部分までを転載します。なお、昨年6月に記載したメイジュ症候群の総説記事もこの記事の末尾にリンクします。

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メージュ(Meige)症候群は,眼瞼痙攣および口腔下顎ジストニアとして特定される限局性ジストニア運動障害のひとつである1)。20世紀初頭,ヘンリー・メージュが顔面正中筋の異常な収縮をきたす患者を発見し,1972年にポールソンが顔面筋痙攣,特に眼瞼痙攣および口腔下顎筋のジストニアを有する患者に対し,「メージュ症候群」という用語を初めて用いた。
メージュ症候群の好発年齢は通常30~70歳である。眼瞼痙攣のある患者は,高齢,女性,頭部外傷がリスクファクターである。眼瞼に手指で触れる等の感覚トリック(センソリートリック)によって,ジストニア症状が緩和される。病因はドーパミン作動性およびコリン作動性の活動亢進である。皮質の抑制性ニューロン(GABA作動性ニューロンなど)の機能低下によって引き起こされることもある2)3)
病因により,原発性メージュ症候群と二次性メージュ症候群にわけられる。原発性メージュ症候群では,遺伝的要素や精神的なストレスが重要な病因として示唆されている。神経弛緩薬を長期服用している患者の中で,顔面および頸部ジストニアを引き起こしたものを二次性メージュ症候群としている。原因となる薬物には,制吐薬,抗精神病薬,抗うつ薬などが含まれる。さらに,頭部外傷,脳卒中,脳幹領域の脱髄,正常圧水頭症のほか,パーキンソン病,ウィルソン病,オリーブ橋小脳萎縮症,レビー小体病などの他の運動障害に関連する可能性もある。

▶診断のポイント

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【代表的症状】

原発性眼瞼痙攣または口腔下顎のジストニアとして現れ,その後,頸筋,呼吸筋または上肢筋などの他の筋の振戦へと広がる。眼瞼痙攣の一般的な症状には,感覚症状,運動症状,精神症状がある。運動症状は眼瞼の開きにくさや瞬目のしづらさ,瞬目過多といった眼瞼の動き自体の症状である。感覚症状はしょぼしょぼする,ごろごろするといった不快感と,太陽や蛍光灯の光に対する羞明,時には強い痛みを訴えるケースもある。メージュ症候群では3割ほどの患者が不安,うつ病,睡眠障害などの精神症状を示す。
上記の症状に加え,唇をかむ,顔を歪める,顎を突き出すなどの不随意な顔面下半運動および咀嚼運動を示す。

【検査所見】

眼瞼痙攣に対しては「随意瞬目テスト」と「眼瞼痙攣評価質問表」を用いて診断する。随意瞬目テストは,「軽瞬」「速瞬」「強瞬」の3つの瞬目を行わせて運動症状の重症度を評価する。

・軽瞬:前頭筋を使わずに,自然に近い歯切れのよい瞬きをゆっくりリズミカルに行う。

・速瞬:できるだけ速くて軽い瞬きを10秒間行う。健常者は10秒間に30回以上の瞬目が可能である。

・強瞬:ギューッと強く閉瞼し,パッと素早く開瞼する動作を10回繰り返す。

感覚症状の評価に用いられる「眼瞼痙攣評価質問表」は,眼瞼痙攣患者が訴える主訴や愁訴の中から頻度が高く,特異性の高い,重要と考えられる項目を若倉が抽出し,10項目にまとめたものである。精神症状に対しては,米国国立精神保健研究所が開発した「疫学的うつ尺度(center for epidemiologic studies depression scale:CES-D)」などを用いて評価する。

その他,脳病変を除外するために脳MRI,MRAやCTなどが勧められる。顔面筋電図は必須ではない。

【鑑別診断】
〈ドライアイ〉

患者の愁訴がドライアイの診断基準に多く含まれる所見であることに加え,眼瞼痙攣にドライアイの合併が非常に高率であるため,誤診しやすい。

〈片側顔面痙攣〉

顔面神経根部が脳幹から出る部分で脳底血管と接触し,圧迫を受けることが主な原因と言われている。耳鳴りを伴うこともあり,MRI画像検査により小脳動脈によるvascular compressionの確認で鑑別する。

〈眼瞼ミオキミア〉

筋線維束性の攣縮が群発する症状であり,患者は「まぶたが痙攣する」と訴えて来院するが,開閉瞼の障害や感覚症状,ジストニアほどの強い筋の異常攣縮はみられないことから,容易に鑑別できる。

〈開瞼失行症〉

上眼瞼挙筋が随意的に駆動できないため,一度,随意的に閉瞼してしまうと,手指などを使わなければ開瞼できない疾患である。多くの開瞼失行症は眼瞼痙攣に伴っているのが事実であるが,前頭筋により開瞼しようとして眉毛が眼窩縁より上がる所見がみられる点が鑑別のポイントとなる。

〈重症筋無力症〉

アセチルコリン受容体抗体による免疫疾患であり,疲労現象による眼瞼下垂で瞼裂狭小がみられることで,眼瞼痙攣を疑われることがある。特に,初期の本症では眼瞼に小さな痙攣様の動きがみられることもあり,慎重な診断が求められる。眼瞼痙攣では日内変動がみられないこと,開閉瞼以外の眼筋症状がみられないことが鑑別のポイントとなる。

(注:▲以下に私の治療方針・処方の組み立て方、▲治療の実際 が記事に続いていますが、HPでは公表されてないのでここでは公表しません。次に昨年克ブログに記載した記事2部にリンクをします。)

Categorised in: 眼瞼痙攣