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2020年7月19日

12100:まぶしさ(羞明)に苦しむ患者の実態調査が実現…厚労省推進事業;記事紹介

眼科医清澤のコメント:若倉先生がコラムに記載してくださったとおり、中枢性の羞明に苦しむ患者さんがいます。その病巣は三叉神経や視索上核あたりが考えられていますが、その病巣も疾患原因も未だにはっきりとはしていません。(参照記事)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3485070/

私たちもポジトロン断層法とMRIを用いてその原因を探求しようとしていますがhttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6728873/、いまだにその答えははっきりとは見えません。

今回の推進事業がそのような研究の後押しになるとよいと思います。

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Dr.若倉の目の癒やし相談室 若倉雅登 2020年7月2日

医療・健康・介護のコラム

まぶしさ(羞明)に苦しむ患者の実態調査が実現…厚労省推進事業

まぶしさ(羞明)に苦しむ患者の実態調査が実現…厚労省推進事業

 「まぶしい状態」を専門用語では「 羞明しゅうめい」といいます。

 瞳孔(ひとみ)は明暗に反応して小さくなったり、大きくなったりします。カメラの絞りの役割です。何らかの原因でその反射機能が働かなくなり、たとえば瞳が開いて(散瞳して)絞りが開いたまま固定しますと、まぶしさを感じます。

 また、白内障や、角膜や網膜の病気など眼球の異変があっても、光が苦手、光を避けたいという反応が出ることはよくあります。

 このように、羞明は主に目の異変として従来取り扱われてきました。

 ところが、目に異常はないのに、高度な羞明を持つことがあります。

 中枢性羞明――まだ公認された医学用語にはなっていませんが、目ではなく脳の機能の異変で羞明が生じることがあることを、一部の臨床医は以前から気づいていました。

 羞明とひとことで言っても、明るさに対して敏感な場合でも、部屋の中ではよいが、外へ出るとまぶしさが増強するケース、逆に自然光は大丈夫だが、屋内の蛍光灯やLEDの光に反応してしまう場合など性質や強さはまちまちです。

 暗いところでもまぶしさを感じる方もいます。寝室で電化製品の黄色や赤色の表示灯が気になって避けたいという方です。

 高度の羞明を持つ人に比較的共通な医学的特徴は、「注視努力の企図や遂行で症状が出現、悪化する」という点です。例えば、パソコンやスマホを見続けるとまぶしさや痛みが生じ、それを我慢してなおも続けると頭痛、吐き気、めまいなど身体症状も出て、なかなか回復しなくなるのです。

 こうした症例があることを、我々臨床医はほとんど注目せずにきました。眼科医は眼球に異常がないので、そんなことはあり得ないと思っていました。神経内科や精神神経科の医師は薬の一過性副作用や精神疾患の部分症状としてしか「羞明」を扱わず、正面から取り組むことはありませんでした。

 私は、20年ほど前から「 眼瞼がんけん けいれん」という、脳の誤作動で生じる、目を自在に開けることができない病気で、「まぶしい」「痛い」という訴えが非常に多いことに気づいていました。また典型的な眼瞼けいれんではなくても、常時まぶしさや目の痛みに悩まされている例が少なくないことにも気づきました。そうした方の大半は視力や視野検査では異常が出ないので、「眼球使用困難症候群」と総称していました。

 こうしたケースの中には、仕事を続けられない、人の手を借りないと移動できないといった方々もいて、生活上は明らかな視覚障害者なのに、視力や視野だけで評価される現行法では視覚障害と認定されないのです。

 ようやく患者たちの声が厚労省に届いたのでしょう。厚生労働省の令和2年度(2020年度)障害者総合福祉推進事業の中に「羞明等の症状により日常生活に困難を来している方々に対する調査研究」が指定課題に採用され、実態調査が行われることになりました。大きな進歩です。筆者も微力ながら調査研究に協力したいと思っています。

 (若倉雅登 井上眼科病院名誉院長)

上の図の説明:羞明回路
1. 網膜神経節細胞は、オリーブ核に関連した信号をオリーブ核前蓋核(OPN;ライトグリーン)に投射します。 OPN投射は、唾液核(SSN;濃い緑色)を活性化します。これは翼状口蓋神経節を介して、眼血管拡張と血管上に強く発現する三叉求心性神経(オレンジ)の活性化を引き起こします。これらの求心性神経は、三叉神経節に細胞体を持ち、三叉神経の尾状核、視床、皮質に投射します。

2. 本質的に感光性の網膜神経節細胞(IPRGC)は、視床ニューロン(青)に直接投射し、視床ニューロン(青)は頭蓋内侵害受容求心性信号(三叉神経節と三叉神経核の黄色ニューロン)も受け取ります。視床ニューロンは、これらの出力投射の光と痛みの刺激に反応して発火します。

3. げっ歯類の虹彩で、メラノプシンを含む本質的に感光性の神経節様細胞が確認されています。これらの求心性神経は、視神経(回路1および2)がセクション化されています。

3つの回路すべてが異なる場所で相互作用する場合があることに注意してください (元論文、文献84–86、91から作成)。(91はDolgonos S, Ayyala H, Evinger C. Light-induced trigeminal sensitization without central visual pathways: another mechanism for photophobia. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2011;52:7852–7858. [PMC free article] [PubMed] [Google Scholar])

Categorised in: 眼瞼痙攣