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2020年1月6日

11425:とろサーモンの久保田さんの疾患:顔面けいれん治療の第一選択はボトックス注射では?

清澤のコメント;「2020年の健康を占う!新春!芸能人余命宣告SPという番組に異議あり」:という事で今日のブログをはじめます。

1、片側顔面けいれん

番組には、とろサーモンの久保田さん他が登場しておいででした。指摘された疾患は顔の片側がぴくぴくと動く(片側)顔面けいれん。番組ではmicrovascular decompression微小血管減圧手術を即時勧めておいででした。しかし、私ならボトックス投与を第一選択として勧めます。

番組で紹介していた通り、片側顔面けいれんの主な原因は後下小脳動脈による同じ側の顔面神経への刺激。その刺激を根本的に解除しようとすれば、上記の圧迫を解除する為の手術は提案可能です。

しかし、成功率が高いとはいえ、耳の後ろの頭蓋骨に直径2センチの円孔をあけ、顕微鏡手術を行う。その前後2週間程度の入院期間を要すとなれば、その決断を即時に決断するのは大変。私ならまずボトックス注射をお勧めします。多くの症例では、一度は痙攣がほぼ止まりますので、3月ないし6か月の間隔でボトックス注射を外来で受けていただきます。その上で、その患者さんがそろそろ脳外科の手術も考慮したい、と希望されたら、この手術経験の多い医師を選んで個別に紹介状をお出しします。紹介したからと言って手術を決める必要はありません。利害得失を聞いた上で手術を決めればよいのです。この手術では、ごく稀ですが、顔面神経の横にある聴神経が影響を受けて、同じ側の耳が聞こえなくなることもあります。手術治療は十分納得してから受けるのがよいでしょう。

2、脳動脈瘤

この番組では、このほかにもおやと思う発言がありました。それは直径3ミリの脳動脈瘤に対して手術を推奨したこと。もし、ほかの患者さんのMRA検査で偶発的に直径3ミリの脳動脈瘤が指摘されれば、私は知り合いの脳外科専門医に診察を求めます。しかしその直径がこの大きさであれば、通常は手術ではなく、定期的な経過観察をしようといわれると思います。

3、結論

健康関連の番組を作るのは大変です。今回のこの記事は、言葉尻をつかんだ様な批判で申し訳ありません。

本日の私の主要なコメントとしては、「患者さんは自分が十分に納得できない治療を勧められた時」には、そっと別の医師の意見も聞いてみるのもよいのではないか?:という事です。

Categorised in: 眼瞼痙攣