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2019年5月24日

10741:眼球使用困難症候群の患者の実態報告(日本ロービジョン学会)

5月24日-26日ソラシティーカンファレンスセンター(御茶ノ水)にて開催。私たちの演題は以下の通りです。看護師の荒川さんが若倉先生とともに集めた「眼瞼使用困難症」について発表してくれます。

眼球使用困難症候群の患者の実態報告:NPO法人目と心の健康相談室、清澤眼科医院、井上眼科病院 荒川和子、清澤源弘、若倉雅登

はじめに:眼球使用困難症候群とは、眼瞼けいれん、中枢性羞明、高度の眼痛、眼球運動障害など、眼球は正常、もしくは視覚障害者に認定されるだけの異常はないが、眼球をうまく使用できずに視覚障害者同様の生活を送らざるを得ない症候の総称。

研究目的:眼球使用困難症候群であると自ら申し出た34名の患者の、現状に関する質問で判明した事柄から、患者の実態を報告する。

方法:対象者は34名、男性8名、女性26名、年齢23歳-79歳。これらの患者の診断名、最終診断医療機関、居住地、経緯、現況、行政や患者会に望むなどを書面で自由記載のまとめ。

居住地の分布:関東圏が最も多い。ほぼ全国。

発症経緯:発症の契機が不明で、ある日突然まぶしさや痛みなど目の異常を感じた、14名。外傷後が4名、手術後に発症3名。ベンゾジアゼピン系睡眠導入薬や精神科の薬を長期服用中、または減薬後に4名発症。

今回の眼球使用困難症候群該当者が医療機関で受けた最終臨床診断名:眼瞼痙攣は、薬剤性とメイジュ症候群を含めて計25例、てんかんや脳脊髄液減少症を含む高次脳機能障害が3例、その他6例。

患者の現在の状態:

・眼が開かない、物を見ると吐き気、非回転性めまいや頭痛が出る。/・むりに続けると眼痛や目や体の高度の疲労感で寝込む事態になる/一日2時間以上は目を使えない。/かすかな光にも敏感に反応、電化製品のスイッチランプは黒のセロファン紙でカバー、さらにアイマスク着用、調光器使用など、何年も暗い部屋で生活/常時、眼痛がある。眼痛のほかに体の痛みもある。/その他、夜の屋外でしか、目を開いていられない。何もする気になれない。

何に困っているか:・テレビ、パソコン、携帯など、画面を見ることが出来ない。または短時間の使用で、限界がくる。

就労状況:就労不可20名、家事を含めた就労可と記載した人8名。6名が無記入。

行政や患者会に望むこと:行政などから十分な支援や救済が得られていないことが共通。

患者らは、型にはめられないものは制度の網からこぼれると訴える。

病名ではなく、「何に不自由しているか」を基準にして、支援を決定するシステム作りを望んでいます。

考案と結論:視覚そのものの異常のためではなく、保有している視覚系をうまく使えない異常について、日本の視覚障害者に関する法律は想定されていない。/患者らは公的支援がなく、生活自体の窮状、ロービジョン生活についての適切な情報や訓練も受けることができない状況にある。/こうした症例が有する問題への対処を多角的に考え、できるものから対応する必要があると考えた。

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Categorised in: 眼瞼痙攣