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2019年5月4日

10688:その痛み、神経障害性疼痛では?

上に引用したのは柳葉さんが演ずるリリカの広告動画です。この動画は以前から気になっていたのですが、このブログに埋め込みが成立しないので、引用できないでおりました。このユーチューブへのリンクの行にタッチして視聴してみてください。神経障害性疼痛を上手に説明しています。

さて、次の一文は2019年年初に私が眼痛に関して記載した総説の一部です。 疼痛は『侵害受容性疼痛』、『神経障害性疼痛』、『心因性疼痛』の3つに大別されます。然し、心因性疼痛の存在は最近ではやや否定的に扱われています。通常の神経受容体を介した痛みが 『侵害受容性疼痛』であり、慢性疼痛には 『神経障害性疼痛』がほぼ含まれます。

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疼痛の定義と分類
疼痛は身体に危険を知らせるシグナルであり、人間にとって重要な感覚である。しかし、痛みが慢性的に続くと生活の質の低下をまねく。国際疼痛学会では疼痛を、『実際に何らかの組織損傷が起こったとき、あるいは組織損傷が起こりそうなとき、あるいはそのような損傷の際に表現されるような、不快な感覚体験および情動体験』と定義している1)。疼痛は、その原因により、『侵害受容性疼痛』、『神経障害性疼痛』、『心因性疼痛』の3つに大別される。(図1)

1侵害受容性疼痛 nociceptive pain
侵害受容性疼痛は、外傷や感染による炎症や内外からの刺激によって痛みを感ずる侵害受容器が刺激されて起こる。侵害受容性疼痛は、体の各部からの刺激が電気信号となって神経を伝わり、その過程で発生する。ほとんどが急性の痛みで、一般的に非ステロイド鎮痛薬が効き易い特徴がある。この痛みは体に害が及んでいることを知らせるサインであり、人間にとって必要な痛みである。侵害受容性疼痛の原因となる刺激には、①外傷による炎症、②機械的刺激、③温度刺激,④化学的刺激、⑤細菌侵入などが含まれる。
2 神経障害性疼痛:Neuropathic pain 
神経障害性疼痛は、神経自体の圧迫や、なんらかの原因による神経伝達の障害から起こる痛みである。慢性的疼痛や難治性疼痛に進行しやすい。代表的なものには、帯状疱疹後の神経痛、ドライアイ症候群に伴う疼痛の一部などが含まれる。神経障害性疼痛には非ステロイド鎮痛薬が効きづらい。そもそも、末梢神経が侵されれば知覚中枢への痛みのシグナル伝搬は減少するはずである。しかるに、神経障害性疼痛の発症では痛みの感覚は増強する。その機序は、脊髄後角でのグルタメート/NMDA受容体介在感作やGABA作動性およびグリシン作動性コントロールの消失に伴う脱抑制などを介した中枢感作(central sensitization)が想定されている。
3 心因性疼痛:psychogenic pain
心因性疼痛は、精神的ストレスなど心理社会的要因によって起きる疼痛である。身体表現性障害に代わって身体症状症が用いられる。身体症状症は、①苦痛や生活への支障がある身体症状があること、②身体症状や健康に関する極端な思考・感情・行動、の2つを満たす病態が広く含まれる。
眼痛を訴えてきた場合、まず、侵害受容性疼痛を考えて原因を検索する。次に、疾患によっては眼科領域であっても神経障害性疼痛や心因性疼痛の可能性を考える。さらに、頭蓋内など隣接他科に治療を依頼しなくてはならない疾患もある。治療を他科に依頼するにしても、考えられる疾患を明確にして紹介したい。

次は、『痛みは脳を変え、脳は痛みを変える ~慢性痛の最新脳科学~』  (講師)東京慈恵会医科大学教授痛み脳科学センター長 加藤 総夫 先生の講演の動画です。下降性疼痛制御系の話などが詳しく述べられています。

私は、眼科の患者に見られる眼瞼痙攣等に伴う慢性の疼痛が神経障害性疼痛に含まれるものと考えており、不必要に優先度が高まった痛みの処理機構を修正する事が必要と思います。その為には、リリカなどの薬剤を処方したりして対応しようとしています。

Categorised in: 眼瞼痙攣