お問い合わせ

03-5677-3930WEB

ブログ

2018年10月7日

10171:valbenazine遅発性ジスキネジアを改善:記事紹介

遅発性ジスキネジア治療薬、第Ⅲ相試験結果発表(medical Tribuneから)
2018年08月29日 06:00

神経眼科医清澤のコメント:私たちが、薬剤性眼瞼痙攣と呼んでいるものがこの遅発性ジスキネジアの一部です。ベンゾジアゼピンなどの長期投与で眼瞼痙攣を起こしたものです。ベンゾ薬などを漸減(あるいは中止)できるとよいのですが、なかなか困難です。その場合にはボトックスを注射使ってコントロールを図ります。そこで出てきたのが先に若倉先生が話していたこの小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害薬のvalbenazineです。有効とのことで、国内でも治験が行われているようですが、まだ一般的な入手はできません。患者さんにはしばらくお待ちいただくことになります。

 遅発性ジスキネジア(TD)の治療薬として、米国で今年(2018年)4月に承認された小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害薬のvalbenazine。米・University of Miami神経学教授のCarlos Singer氏、米・Neurocrine Biosciences社のScott Siegert氏らが同薬の第Ⅲ相試験KINECT 4の結果を、第23回国際パーキンソン病関連疾患学会(IAPRD 2018、8月19~22日、フランス・リヨン)で報告した。
1日1回48週間投与の効果を医師と患者が評価
 TDは、抗精神病薬などドパミン拮抗作用がある薬剤の長期使用により、口唇、舌、下顎、四肢などに発現する難治性の不随意運動。誤嚥や窒息、転倒などの原因となり、生命予後にも影響する。有効な治療薬がほとんどない中、米食品医薬品局(FDA)がTD治療薬として初めて承認したvalbenazineに寄せられる期待は大きい。
 昨年に報告された6週間の第Ⅲ相試験KINECT 3では、プラセボ群に比べvalbenazine群で有意なTD改善が認められた。日本では昨年から、第Ⅱ/Ⅲ相の二重盲検ランダム化比較試験J-KINECTが始まっている。
 今回のKINECT 4試験の対象は、『精神疾患の分類と診断の手引き第4版(DSM-IV)』により3カ月以上の薬剤誘発性TDと診断された18〜85歳の成人。TDに対するvalbenazineの長期投与(1日1回48週間経口投与)の有効性を、医師および患者の双方がそれぞれ評価した。1日当たりの投与量は最初の4週間が40mg、その効果がClinical Global Impression of Change-TD(CGI-TD)による評価で3点(軽度の改善)以上と不十分であった症例、あるいは40mg投与の安全性・忍容性に問題がないと医師が判断した症例は80mgに増量し(40mgに減量可)、他の症例は40mgを維持し、それぞれ44週間継続した。計48週投与した後、4週間のフォローアップ期間を設けて52週で試験終了とした。
患者の9割が改善効果を実感
 試験の結果、4週以降も40mgで48週まで継続した症例が45例(40mg継続投与群)、80mgに増量し、そのまま48週まで継続した症例が107例(80mg増量群)。4週以降に80mgから40mgに減量した11例を含め、解析対象は163例であった。対象の平均年齢は57.4歳、統合失調症または統合失調感情障害の患者が73%を占めた。ベースライン時の医師評価による異常不随意運動評価尺度(AIMS:正常0点~重度4点で12項目を評価)の平均スコアは14.6点であった。
 試験開始後のAIMSスコアの変化は、40mg継続投与群、80mg増量群ともに48週まで継続的な改善が認められた(図)。投与終了4週後の52週時点では効果が減弱したものの、AIMSの平均スコアはベースライン時に比べ、40mg継続投与群で1.8点、80mg増量群で3.3点改善していた。
図. ベースラインから各外来受診時のAIMS平均スコア(医師評価)の推移

Categorised in: 眼瞼痙攣