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2018年9月23日

10131:日本ボツリヌス治療学会:眼科関連演題の紹介です

日本ボツリヌス治療学会:眼科関連演題

清澤のコメント;第5回日本ボツリヌス治療学会学術大会に発表された眼科関連演題を拾ってみました。こうしてみると多くのグループがボトックス治療に関与していることが分かり、実用上でもいくつかの点に気付く所がありました。

  • 01-1:眼瞼痙攣患者の転倒事故状況および生活不自由度の検討;山上明子、井上眼科病院

・145例。転倒事故は眼瞼痙攣61,5%、片側顔面痙攣40,0%。複数回の転倒は眼瞼痙攣に多い。日常動作の不自由は眼瞼痙攣に高い。

  • 01-2:斜視に対するA型ボツリヌス毒素注射療法の現況;三村治、兵庫医科大学、神経眼科治療学、-133例224回の注射から-

・急性内斜視37例、外転神経麻痺21例、甲状腺眼症20例、動眼神経麻痺19例、外斜視16例。注射筋は内直筋143回、外直筋58回、下直筋22回、上直筋1回。術中後転筋への注射が39回。合併症は眼瞼下垂26、上下変位(近見15、遠見12例)。急性発症の斜視の早期に有効で、慢性期では喜ばれない

  • 01-3:家兎外眼筋へのボツリヌス毒素注射が角膜知覚神経に与える影響:中澤祐則、北里大学、眼科、

・10単位1カ月で角膜神経線維の口径と長さが減少。3カ月で同様の傾向が増強した。40単位では2週間で強い同様の変化。影響は容量時間依存性。

  • 01-4:甲状腺眼症の斜視に対するボツリヌス注射:神前あい、オリンピア眼科病院

・甲状腺眼症状の消炎前の斜視に対してボツリヌス2,5~7,5単位を使用し、眼位矯正に有効だった2例の提示。

  • 01-5:下斜筋にA型ボツリヌス毒素注射を行った外傷性滑車神経麻痺の一例;宇井敦子、横浜労災病院、眼科

・外転神経麻痺に対する使用は多いが、滑車神経麻痺に対して早期(2,5か月)に下斜筋にボトックス2,5単位使用し、有効だったと。

  • 01-6:眼瞼痙攣に対するボツリヌス治療時の前処置による疼痛抑制効果の比較検討 清水有紀子、ツカザキ病院、眼科

・1)処置なしと5分冷却、2)リドカインテープとリドカイン・プロピトカイン配合クリーム(30分)。最大10点でスコア評価。処置なし5,9。冷却5.4。テープ4,35。クリーム2,95。処置なしとクリーム、冷却とクリームの間にp<0,01で有意差ありと。

  • S1-1:ボツリヌス治療の手技・工夫 –眼瞼痙攣・顔面痙攣- ;木村亜紀子、兵庫医科大学 眼科学講座

・初回濃度1,25単位、眼周囲5~6か所。患者と相談して眉毛上部や鼻根部も足す。濃度は2.5単位が多い。30から32ゲージ針の使い分け、頬は揉ませて良い。ビデオ供覧

  • S4-1:眼科における患者視点のボツリヌス治療戦略:清澤源弘 ほか、清澤眼科医院

・患者に自己評価を求める。随意瞬目テスト。施注量と場所の希望を聞く。実際の対応法を述べた。(別項あり)

  • S6-5:斜視に対するボツリヌス治療 根岸貴志 順天堂大学 眼科学教室

・保険は2015年から。使用単位量は極端に少なく、筋電図が必要。斜視治療の第一選択肢ではない。Axonal sprautingによる効果減弱の可能性。

  • ML-1:眼瞼痙攣・顔面痙攣と眼形成外科手術;根本裕次、日本医科大学 眼科

・併発症状(眉毛下垂、眼瞼皮膚弛緩症、眼瞼下垂眼瞼内反)による効果減弱がある。判別法があり、皮膚牽引で瞼裂幅が改善せねば、フェニレフリン点眼試験。開瞼困難あら局所麻酔して改善なら真の効果減弱。併発症には前頭筋前転、皮膚切除、挙筋短縮。効果減弱には眼輪筋切除や顔面神経切除。適切な眼形成手術が無駄な毒素療法の経済損失を軽減する。

  • ML-5斜視手術とボツリヌス毒素療法の併用 森本壮 大阪大学大学院、医学系研究科感覚機能形成学

・甲状腺眼症の様に筋拘縮が強い例や、麻痺性斜視の様に効果が限定的な例でボトックス併用斜視手術を行う。

  • ML-6:片側顔面けいれんに対するボツリヌス治療の位置付け:鬼島晴彦 大阪大学大学院 医学系医学科脳神経外科

・片側顔面痙攣10人/10万人。微小血管減圧術には聴力低下を代表とする合併症がある。ボツリヌスは比較的安全だが緩和療法で、効果も数カ月。それで満足する人もいる。年齢、ライフスタイル、合併疾患、病状を考慮した治療計画を。

Categorised in: 眼瞼痙攣