お問い合わせ

03-5677-3930WEB

ブログ

2018年6月8日

9926:眼瞼痙攣ウェブセミナーへの質問と清澤の答です。

先日行われたウェブセミナーにファックスで寄せられた眼科医からの質問に対する答えを作成してみました。医師のボトックス施術のご参考になればと思います。ボトックスに慣れた患者さんにも参考になれば。

――――                                                 

Q:ボトックス治療が初回という方の量(単位数)をどう決めたらいいのでしょうか?

A;それは各先生の好みで決めてよいと思いますが、私は眼瞼痙攣ですと最初は、25単位程度から始めます。ごく臆病な患者さんでは12単位くらいから始めることも有ります。25単位とすると一か所が2単位程度になります。余り投与量が少ないと初回でがっかりして次回以後を希望されなくなる恐れがあります。公式に追加のブースター投与は基本的には禁止されています。

 

Q:眼瞼痙攣に対するボトックス注射方法に関してです。額正中、鼻背、鼻の脇への注射はほぼ全例に行っておられるのですか?

A:眉間4か所は基本的に初回から打ちます。鼻の横と鼻背(正中の窪んだ所)は2回目以降での任意です。あちこちに分けると、総量に対して肝心の眼周囲(眼輪筋)が薄くなりますので、その点を話して、ややこしい注文は極力お受けしない様にしています。痛みを少なくするために短時間で打ち終わることを旨としますから、施注中に考える要素は残したくないのです。どうしてもという方にはマーカーでここにも打ってという場所を顔面上に鏡で見てマークしておいてもらいますが、其処を重視すればどこかが薄くなるでしょう。

 

Q:経口薬の併用をする症例はどのような場合ですか。またミュラー筋の短縮術を行う場合はどのような症例ですか?

A:経口薬の抑肝散加陳皮半夏は最初から殆どの症例に使用しています。アーテンとリボトリールはボトックスの効果に不満があり、抑肝散加陳皮半夏以外に何かを欲しいという場合のみ追加で使います。一日1錠までを上限とします。アーテンやリボトリールのみで、ボトックス無しという道は初回のボトックスを怖がっている症例で次回ボトックスへつなぐ以外には勧めません。

ミューラー筋は以前若倉先生が行っておいででしたが、今も行っているという先生の話は聞いてはいません。

 

Q:リボトリールやアーテンを処方する際、どのような疾患名をつけて処方しています

A;リボトリールにはジスキネジアを、アーテンには運動発作などの効能があります。それは患者の状態に対しても、無理な診断名ではないと思います。

 

Q:白内障手術からどのような機序で眼瞼痙攣が誘発されるのでしょうか。

A:私の考えとしては、軽い白内障しかなくてその陰に眼瞼痙攣が隠れていた患者さんに対して、「見難い」という訴えを解消しようとして白内障手術(またはそれ以外の手術)を勧めて、同意のうえで手術を行ったが、患者さんがその結果に納得できなかったというケースではないかと思っています。眼瞼下垂手術を行われた後で眼瞼痙攣を診断というケースにも良く遭遇します。下垂手術ならば瞼裂を広げますから当然ドライアイを悪化させて、潜在性の眼瞼痙攣の症状を顕在化させます。

 

Q:白内障手術前後ではどのくらいの期間は施注しない方が良いですか?

A:別に、1週間などの短期で続けて行おうとは思いませんが、傷さえ落ち着けば白内障術後いつでもボトックスは打てます。逆にボトックス施注を先にするなら、白内障術中の強い瞬目を抑える意味でと考えて、白内障手術の1月前にボトックス施注でも構わないでしょう。

 

Q:「薬剤性」の眼瞼痙攣の患者さんへの事前説明で、此れだけは必須説明と言った内容の物は有りますか。

A:薬剤を減らすことは望ましいが、それを突然自己判断で中断すると離脱症候群で発作を起こして、救急車を呼ぶという事態を引き起こすことが有るという事でしょうか。処方した先生に責任をもって減らしていただくか、あるいは原因薬剤はそのままにしてボトックス量を増やすかで私は対応します。眼科医が精神科の医師が始めた向精神薬の減量を自ら手掛けるのは危険すぎるでしょう。

 

Q;薬剤性眼瞼痙攣の場合、その薬剤の中止、変更はどのように説明されますか。1回目のボトックス注射が効かない場合、どうされますか。それは眼瞼痙攣ではなかったのか、2回、3回と注射を重ねると効いてくるのでしょうか。

A:私は主治医に対して薬剤性眼瞼痙攣、あるいは遅発性ジスキネジアが起きているようなのでベンゾジアゼピン減量を企図してほしいと冷静に、感情は込めずに手紙を書きます。内科医や精神科医は、薬剤性眼瞼痙攣は知らなくとも、「遅発性ジスキネジア」という単語は重大な合併症として知っていますから、私たちの意図に沿った対応をしてくれるはずです。患者さんはベンゾに代替薬が有るかと聞きますが、眠剤ならばベンゾ系以外のものがいくつかありますが、向精神薬には代替薬はありません。

 

Q:BTX施注と点眼プラグ(涙点プラグの誤記?)は同時に行えますか?(診療請求できますか)

A:ボトックスは眼瞼痙攣または片側顔面痙攣に対するもの。涙点プラグはドライアイに対するものですから、同日の請求で有るという理由で返戻されることはないと思います。涙点プラグ注入を先に行い、ボトックスを後にすると、止血が終わるのを待つ必要が無いので合理的に2つの手技を連続して行うことが出来ます。

 

Q:速瞬テストの動画が2種類あったが、眼瞼痙攣の患者の患者テストの様子では鑑別診断が難しい。コツはありますか?

A:お見せした速瞬テストの後の方のビデオでは10秒に近づくとリズムが乱れています。いずれにしても、眼瞼痙攣を既に疑われた患者さんの評価をして、診断を確認しようというのが瞬目負荷試験であって、眼瞼痙攣が疑われてもいない人にそれを行って、眼瞼痙攣かもしれないという必要はないのです。後のビデオは「速瞬の下手な例」としましたが、この方はそもそも健康人で有って患者ではないので、鑑別の必要はありません。ビデオで荒川看護師が話した通りに繰り返していただければ大変良いのですが、未だにユーチューブには出ていませんね。

次のことをやってみて、自己評価と医師(医療従事者)の評価を受けてください

 

A:眉毛部分を動かさないで、軽い、歯切れのよいまばたきをゆっくりしてみる(軽瞬)

 

自己   医師

 

(  ) (  ) リズムよくできた(0)

 

(  ) (  ) 眉毛部分が動くなど強いまばたきしかできない(1)

 

(  ) (  ) ゆっくりリズムよいまばたきができず、細かく早くなってしまう(2)

 

(  ) (  ) まばたきそのものができず、眼をつぶってしまう(3)

 

B:できるだけ早くて軽いまばたきを10秒間してみる(速瞬)

 

(  ) (  ) 10秒間に30回以上の軽いまばたきがほぼリズムよくできた(0)

 

(  ) (  ) 途中でつかえたりして30回はできないが、大体できた(1)

 

(  ) (  ) リズムが乱れたり、強いまばたきが混入したりした(2)

 

(  ) (  ) 早く軽いまばたきそのものができない(3)

 

C:強く眼を閉じ、すばやく眼を開ける動作を10回してみる(強瞬)

 

(  ) (  ) できた(0)

 

(  ) (  ) すばやく開けられないことが1、2回あった(1)

 

(  ) (  ) 開ける動作がゆっくりしかできなかったり、痙攣様の動きが混入したりした(2)

 

(  ) (  ) 開けること自体に著しい困難があるか、10回連続でできなかった(3)

Categorised in: 眼瞼痙攣