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2017年9月29日

9224:薬剤性眼瞼痙攣の治療を考える:高木美昭先生抄録

第4回日本ボツリヌス治療学会学術大会 プログラム表紙S2-2 薬剤性眼瞼痙攣の治療を考える 高木美昭 夕陽ヶ丘診療所:抄録抜粋

○高木美昭 社会医療法人平和会夕陽ヶ丘診療所

眼瞼痙攣に対してボツリヌス治療は有効であり、患者の日常生活動作を改善させることができる可能性が高い。しかし、ボッリヌス治療以外の方法を優先するべき眼瞼痙攣も存在する。薬剤性眼瞼痙攣である。

 原因の薬剤として頻度が高いのが向精神薬である。向精神薬のうち、メジャートランキライザーはMeige症候群の原因になることが広く知られている。しかしベンブジアゼピン系薬(非ベンブジアゼピン系薬を含む)が眼瞼痙攣の原因となることはあまり知られていない。

日本はベンブジァゼピン系薬を処方している症例が多く 、その結果眼瞼痙攣の頻度も高いと考えられる。ただし、原因として疑った薬剤を減量・中止できて眼瞼痙攣が改善した場合はその薬剤が原因であったと診断できるが、ベンゾジアゼピン系薬への依存により 、減量・中止できるケースが多くない。

薬剤性の場合、治療は原則として原因と考えられる薬剤を漸減しながら中止、あるいは薬剤を変更することである。改善する症例もあるが、症状のすべてが消失し、発症前の状態に回復するケースは少ない。

しかし薬剤の減量・中止・変更には時間がかかるため、眼瞼痙攣による日常生活動作が制限されている症例にはボッリヌス治療を考慮することがある。眼瞼のみならず眉間、鼻根部、鼻翼部にも施注する方が一定の効果が得やすい。

最後に向精神薬、特にベンゾジアゼピン系薬の長期使用、多剤併用を見直すことを啓発していくことこそが眼瞼痙攣の頻度を減らし、超高齢社会における日常生活動作の向上につながると考えている。

神経眼科医清澤のコメント:シンポジウムの2番手です。さすがに精神科の病院で多くの薬剤性眼瞼痙攣を見てきた高木美昭先生らしい話しぶりでした。日本では特異的にベンゾジアゼピン系薬剤の消費量が多く、それが薬剤性眼瞼痙攣が多い原因になっているというところが、彼が話に力を入れていた部分でした。

文献:高木美昭、日本ボツリヌス治療学会雑誌 3:p25,2017.

第14回日本ボツリヌス治療学会学術大会 ボツリヌスによる治療革命 -現状と未来- シンポジウム 眼瞼痙攣

2017年9月29日-30日、東京コンベンションホール

 

 


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