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2020年6月20日

右目の眼瞼下垂と眼球運動異常:眼筋無力症か?

Maria さんからの質問

中学二年生頃から右目の眼瞼下垂と眼球運動異常があらわれました。特に上を向くと視点が合わずものが二重に見えます。 それと同時に顔を上げて視点を合わせようとする行為をします。 3年程通院をしていますが、未だ原因は分からず重症筋無力症を第一に疑いましたが最近ではダブルエレベーターパルシー(double elevator palsy)又はnf2(neurofiblomatosis, 2型神経線維腫症)といった神経腫の持病を抱えていることが原因ではないのかと言われています。 他にも目が乾く、ちくちくするといったドライアイのような症状も右目が非常に悪くひどい時は開眼が困難になる時もあります。 以上のドライアイに似た症状に加え眼球運動障害、開瞼障害は日によって酷い日と酷くない日があります。 原因となるのはいったい何でしょうか。
せめて斜視の手術を受けたいのですが病名が分からず踏み切れないのでどうにか原因を突き止めたいです。

清澤眼科医院の見解

Maria さん ご相談ありがとうございます。病歴からは、様々なものが考えられます。
① 重症筋無力症の眼筋型である眼筋無力症をまず考えます。「眼瞼下垂があって、複視を伴うが、それは疲れた時と夕方に特にひどい。瞳孔は侵されない」、などが特徴です。原因としては抗アセチルコリン受容体抗体が代表的ですが、マスク抗体(抗筋特異的受容体型チロシンキナーゼ(抗MuSK)抗体)など新規に普通は調べない抗体を原因とするものが見つかってきていますので更なる抗体陰性型の筋無力症の調査が可能です。冷やして下垂が減るか?を見るアイスパックテストも行いましょう。テンシロン静脈注射で一時的に改善するかも見ます。はじめはステロイドかアセチルコリン分解酵素の阻害剤内服を使いますが、眼球運動が治療で完全に良くなることばかりではありません。筋電図に疲労現象がみられるのも診断根拠になります。
② 次に動眼神経麻痺を考えます。動眼神経麻痺であれば、眼瞼下垂の他に同側の瞳孔の散大や眼球運動異常としての内転や上下転も制限されます。ヘスチャートを見ると、どの筋にマヒがあるかがわかりやすく、動眼神経麻痺には特有の組み合わせがあります。動眼神経麻痺の診断では外傷、腫瘍などをすべて除外し、はっきりした原因がなくて乳児の時から存在したとすれば、先天性の動眼神経麻痺とします。
③ 神経線維腫症というのは体の神経に瘤ができる疾患で、生まれつきの体質です。体(胸や背中)にカフェオレ色の斑点が見られることがあります。虹彩上にノデュールと呼ばれる粒状の瘤があれば確定します。
④ このほかに考えるとすれば、進行性外眼筋麻痺など目の周りの筋肉が萎縮する遺伝性の疾患です。その診断には病理検査や遺伝子検査などが入ってきますから大学病院などの設備と人材が必要です。
ご来院いただければ、この辺りから治療を考えてみたいと思います。